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昨年度事業報告と本年度事業計画

決算総会での事業報告及び事業計画を公開いたします。

昨年度事業報告に関する件(25年10月~26年9月)

1.概況
25年11月に、広く快適なスペースの新事業所(200坪)に移転しました。
札幌琴似・山の手地区の中心部に位置し、交通の利便性がよい中で、事業展開の第一歩をしるすことが出来ました。
実践活動を通じて、社会的弱者との共生意識及び隣人愛の精神が社会に広がることを目指しています。そういった団体であることを明らかにするため、大きな看板を掲示し、またチラシ配布などにより地域への周知を図ってきました。
 (4つの活動)
 ・生活と心の相談サポート
 ・なごみの会
 ・障がい者事業所ホープ
 ・ドラムサークル「ハートビート」
    ……事業推移は付表①の通り

2.生活と心の相談サポートおよび「なごみの会」
新規相談件数相談回数
  昨年度100522
累計(5年5カ月)5112303

(1)相談サポート事業を開始以来、相談件数が500件を超えました。
第2のセーフティーネットが機能し始めていることもあり、最近は極度の生活困窮相談は減少していますが、悩み等、相談の内容は多様化の傾向にあります。相対的貧困率が年々増加傾向にあり、貧困のすそ野が拡がり、経済のひずみとともに格差社会が進行していることを実感しています。
個人をあまり大切に考えない社会的風潮が、不安感の増大等によるいろいろな精神面でのひずみになっていると推測しています。
(2)「なごみの会」は、引き籠りがちな方、障がい者等への憩いの場、コミュニケーションの場を提供する目的で、毎月一回、計12回開催しました。ホープの利用者が、ほ ぼみんなが参加しています。
箏の専門家による重奏、参加者のユニークな歌や演奏、楽しい会話やゲーム、おいしいと評判の食事等、累計46回をかぞえています。

3.障害者事業所「ホープ」
(1)登録利用者は、現在25名となっています。ICF教会から賃借りしている事業所スペースの狭隘化などから、将来を見越し、大規模の新たな事業所に引越しました。
(2)事業内容
・利用者の特性に応じた仕事のメニュー多様化、ホープのオリジナル商品の品ぞろえ拡大をはかってきました。
・ホープ事業所の存在および事業内容・商品のチラシの近隣ポスティングに力をいれ、また、新事務所内にもホープ商品の販売コーナーを設け、ホープの周知と販売促進を図ってきました。
・犬用クッキーの販促に力をいれ、従来からの教会での販売の他、障がい者の手作り品を販売する市内中心部の「元気ショップ」や「イコール店」やその他の協力店での販売、さらには宅配も開始しました。
・インターネットオークションを開始し、ホープオリジナル商品等の販売を行いました。
・古物商許可証の取得に伴い、利用者の仕事の品ぞろえの一環として中古自転車のリサイクル販売業に着手しました。平成26年9月から事業所近隣のマンション等を訪問し、放置・不要自転車の無料撤去事業をお知らせし、放置・不要自転車にお困りの管理組合などから感謝されつつ、回収を図ってきました。あわせて、販売に向けて、修理作業に着手しています。
(3)研修活動
・利用者が生きがいをもって、地域社会や職場で安定的に暮らしていくことを目指し、良識や常識の研修を開始しました。週一回、生きる上で指針になること、社会や仕事の常識等の研修を3~4グループに分けて行いました。
研修内容が、ホープでの作業とチームワーク構築にリンクしていることを実感してもらえることをねらいとしています。また、希望者にはパソコン研修も週一回行い、レベルに応じ、資格試験も行っています。

4.ハートビート
(1)ICF教会での定期演奏会は年間9回開催し、1回の参加者平均数は16名でした。
未就学年齢の幼児から70代の大人まで、一緒に楽しんでいます。
(2)9月にはNPO法人さっされん主催の「笑顔まつり」に初出演しました。事業所「ホープ」の利用者さんにもスタッフとなってお手伝いいただき、知的障がい・精神障がいのある方や、障がい者の支援をしておられる方と一緒に輪になって、即興演奏会を実演し大好評をいただきました。
ステージの後半では手話を交えて「きみは愛されるため生まれた」をアンツァとデラが歌い、サポートセンターの理念である「隣人愛」を伝えることができました。

本年度事業計画(平成26年10月~27年9月)

1.概況
 新しい事業所の規模・利便性等メリットを最大限に生かした事業展開をはかっていきます。
あわせて、キリスト教の理念である隣人愛、社会的弱者との共生の必要性を地域社会へ浸透していきます。

2.生活と心の相談サポートおよび「なごみの会」
(1)相談事業は、当会の活動の原点であり、そこで実感したことが、その後の各種事業開始の要因となっています。相談者への真摯な対応とフォローを継続してはかっていきます。
就労経験が乏しいひきこもりだった方や長期間失業状態が続いている方、未就職の高校中退者などで、働きたいという意志のある方に対して、中間就労の支援を行う厚労省事業がスタートし、その橋渡しの役割も行っていきます。
 (2)「なごみの会」は、継続していくことに意義を感じており、相談に見えられる方へ、必要に応じ参加を呼び掛けていきます。

3.障害者事業所「ホープ」
(1)障害者の自立と安心をめざした体制づくり
・昨年度から始めた研修を、より充実していきたいと考えています。個々の良識育成をはかり、地域社会や職場での特に精神面での安定的な心を育んでいきたいと思います。
・利用者の個性や長所を生かした仕事ができるように、仕事の品ぞろえを増やし、また同時に利用者が自信とやりがいを持つことが出来るよう支援し、さらなる信頼関係の構築をめざしていきます。
・これらのことを通じて、適格な仕事の提供とさらなる工賃増加策を検討していきます。

(2)具体的活動計画
 ・新事業所の改築等
  車いす用の昇降機と車いす用のトイレも備え、多くの障がい者の利用ニーズにこたえていきます。
 ・自転車販売店「ホープ」の本格運営
  回収した放置・不要自転車を、利用者の作業により修理し、リサイクル商品として、本格的販売を開始します。近隣マンションからの回収の他、近隣警察署による放置自転車等の売払い(競売)にも参加し、より幅広い調達をはかり、合せて、利用者とともに、リサイクル商品の製作と販売のノウハウを確立していきたい。
 ・菓子製造販売等(人用クッキー)
  現在スタッフ2名が食品衛生責任者の資格を取得しており、当事業所での菓子製造販売が可能となっております。これに伴い、現在、人用クッキーの試作にあたっており、今後、保健所との関連手続きを行いつつ、完成品の製造及び販売を行っていきます。

・たい焼・たこ焼店「ホープ」運営
 新事業所の立地条件を活かし、近隣(事業所の隣)に店舗移設を検討しています。多くの利用者の参加、職員も含めた小回りの利いたローテーションが可能となり、効率的な運営がはかられます。また市街地の為、お客増加とそれに伴う、利用者への工賃増を期待しています。
・ペットフードの販路拡大
 昨年度から開始したインターネットオークションによる販売、各店舗での販売等、その裾野を広げ、安定した供給と販路の拡大を目指していきます。
・インターネットオークションの出品強化
 出品の調達先を拡げ、品ぞろえの拡大をはかっていきます。
・その他
各種イベントへの出店参加、高等養護学校などの体験来所、積極的受け入れ、ホープオリジナル商品の制作・販売を積極的に推進していきます。

4.ドラムサークル「ハートビート」
(1)ほぼ月に1回開催している演奏会の他に、以下のような活動を計画しています。
・教会イベントとのコラボレーション
11月、12月には、ユニフェス、いくつかのクリスマスイベント等での参加が決まっています。その後も連携を図っていきたいと考えています。
・出張公演
11月に障がい者支援団体が主催する平岸でのイベントに招聘を受けています。今後と   もこのようなイベントへの参加に積極的に応じていきます。
(2)今後の方向性
アメリカ発祥のドラムサークルは現在では日本全国各地に広がり、大手企業もファシリテーター認定事業等の形で参入しています。
音楽療法としても、またチームビルディングの一メソッドとしても用いられていますが、
ハートビートは「ファミリー」性(ファシリテーターが夫婦・親子であるという希少性・独自性)を中心に、今後も先達に学びつつ、試行錯誤を重ねつつ、独自の方向性・働きを模索していこうと思います。
(3)事業所ホープとの連携
今後もハートビート開催時にホープのオリジナル商品販売を継続していきます。