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生活相談・サポートセンターの特徴

民主党政権に変わり、マニュフェスト公約とおり、日本の貧困の状況を調査すると明言しました。厚労省では、過去に調査したことはなく、国として責任を持った実情調査を行い、施策を打つことを期待します。国民の間にも、貧困が個人の責任というよりは、社会の仕組みの問題つまり、政治の取組みに関っていることが、徐々に理解されつつあります。
10月4日のNHKで、放映されていたように、親の貧困問題によって、まったく責任のない子供に、就学機会の不均等をもたらしている現状は、由々しき事態と思わざるをえません。
フィンランドでは、教育費が、大学までかつ鉛筆の果てまで、一切かからない。また、おそらく中学生の学級だと思われますが、20人学級で、しかも先生のほかに、教育実習の見習い先生がついていて、授業内容がわからない子供たちには、別室でわかるまで教えていました。そのような体制整備の状況は、うらやましくて、ため息が出るほどです。
要するに、国として「子供は社会の宝である」といった哲学が、しっかり根付いていて、教育に最大限の予算を振り向けています。
消費税も20%を超えていますが、未来への投資として、国の経済活動にも合理的なのは、教育レベルの高い子供たちが育てば、企業もそういう人材を活用し、より付加価値の高い産業が、創造され、国際競争力も高まり、国としての税収も増える。実際そうなっている。国民の文化的水準も高い。
一方、日本では、子供に投資せず、また、非正規雇用のもとに、ワーキングプア階層が急増している。一見、企業は人件費が抑制され、企業の収益は安定するように思えるが、労働者は、同時に消費者であるということを忘れている。
つまり、非正規雇用者が、三分の一を超え、親の貧困が子供の教育機会を奪い、貧困の連鎖が継続する。したがって、国全体としての消費が滞り、年金の滞納率が増え、税収が減る。しかも、生活保護などの経費が、将来にわたって増加し、それが増税要因となる。
まさに悪循環で、負の連鎖を逆回転させるには、時間がかかるが、国民人一人一人が、長期的な視点で、頭を切り替えていく必要があると思う。
当センターに、相談しようと思われる方は、生活が困窮しているのを「結局自分が悪いから。ふがいないから」とか思う必要は、全くありません。自己責任とか、勝ち組、負け組だとか、いやな言葉がはやっていましたが、つまらない決めつけです。成功した人も、たまたまうまくいったに過ぎません。こういう言葉を言う人は、心の浅ましさを反映したもので、心の貧困を表していて、恥ずべきだと思います。
私たちは、相談をできる限り丁寧に行おうと考えています。つまり、ある程度先が見えるまで、依頼者が望む限り、相談を何回でも行います。もちろん、何回でも無料です。
先日も、ある労働問題(給与未払い)で、打ち合わせを重ね、労働基準監督署や裁判所に何度も同行し、結果的に、裁判所に訴訟手続きを完了しました。
こういったことが可能なのは、①無償ボランティアが対応していること②リタイアしたボランティアのため、時間があるとともに、社会経験が豊富なことから、金融問題・経済問題・行政対応に慣れていること③不公正な世の中に義憤を感じており、そのことが、相談活動の原動力になっていること・・・からだと思っています。
また、女性ボランティアがおり、いわゆる主婦感覚でのアドバイスを行うことが可能です。
もちろん、私たちの能力を超えるケースは、弁護士などに依頼するケースはありますが、単に取り次ぐのではなく、いわゆる初回だけ無料の弁護士に相談するにしても、事前にポイントをよく整理することが大事で、その後のフォローも必要と考えています。
このように、相談活動には、丁寧さとフォローが必要と考えており、そのことが私たちの活動の特徴となっています。
また、活動の強化を図るため、会員(正および賛助会員)の募集を検討しているところです。