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反貧困と隣人愛

反貧困ネット北海道の発足シンポジウムが、6月27日に開催され参加してきました。貧困問題の根深さを再認識し、問題意識を共有した団体の協調した取組みが必要と考えています。
1995年に経団連が「新時代の日本的経営」を発表し、労働者の3階層化を提言したことが、今日の雇用状況の悪化の要因といわれていますが、私もそう思っています。
「雇用柔軟型」と称された3階層目の、実のところ「必要な時に安く雇用し、いつでも切れる労働者」の必要性が理論化され、あわせて労働者派遣法の改悪により、今日の非正規労働者の割合三分の一という異常事態を招いています。また、正規社員にも、厳しい労働条件が押し寄せています。
今、生活が大変だ、貧乏だ、会社の労働がきつい、というのは、自分が招いた結果や責任では殆んどなく、国や政治の責任が大方だと思っています。従って、生活に困っている方は、あまり自分を責めるまえに相談に来ていただきたいと考えています。
このように、日本は急激に「人に優しくない社会」になっています。反貧困とは、反「人に優しくない社会」ともいえるでしょう。
私達の団体は、ICF教会に、一室をお借りする等の支援を受けていますが、西欧社会では、教会が最後のセーフティーネットの役割を果しているといわれています。それは、キリスト教の最も大切な教えとして隣人愛があるからです。
「あなた自身を愛するように、あなたの隣人を愛しなさい」という教えです。特に、困っている人、貧乏な人に対して、隣人愛の気持ちを持って奉仕するということです。信者を増やす為という狭い考え方ではありません。単純には、人に優しく、親切にするということです。
マザーテレサがそのよき具体例です。彼女は「愛の反対は、無関心である」といっています。私達も困っている隣人にできる限り関心を持って、お話を聞き、悩みを受け取り、打開策をともに考えていこうと思っています。