カナダ西海岸に位置するビクトリア市にロングステイしていた時のことです。
町の中に、車いすの方が多く、日本とは明らかに状況が違います。その大きな要因として、市バスにあると感じました。市バスの全車両が、車いすでもそのまま乗降できるように電動化されていて、また、車両内には、安全のためロックされるスペースが確保されています。運転手は、いやな顔見せず乗り降りの手伝い、また乗客もその間、遅れることを当然のこととして受け入れています。
また、面白いのは、乗客が降りる時(障がい者だけでなく)ほぼ全員が、運転手に「サンキュー」と声をかけ、運転手も「Have a nice day!」等と声をかけあう。私も最初は恥ずかしくて躊躇しましたが、慣れると楽しい気分になります。
この市バスの事例は、日本も見習うべきシステムと感じました。このような施策を通じて、障がい者と日常生活の中で、当然のごとく共存する意識が培われてくる。日本も相当遅ればせながら、前提となる理念造りや法整備(インクルーシブな社会、障害者をインクルードする社会)の検討をしているところですが、社会に根付くには相当のタイムラグが予想されます。
従ってその間、私達の障がい者等に対する日常活動や社会への浸透努力が、微力と痛感しながらも必要だと考えています。