記事一覧

活動の推移

活動を開始してから、約2年5カ月経ちました。
これまでの経緯をたどってみます。
私の若いころ(ちなみに私は現在59歳)は、日本経済も順調で、経済的に困られる方の割合は今よりはるかに少なかったと思います。
自分が、会社で働いていたころは、世間のことには関心が薄く、意外とわかっていなかったようです。
リタイアして時間ができ、世の中全般をじっくり観察してみると、ずいぶんと様変わりしていたことに気づかされました。
リタイア当初は、今まで忙しくて出来なかった趣味などを楽しんではみたものの、ワーキングプアの状況がここまで悪化し、経済的に苦しまれている方が多いことを知れば知るほど、自分だけがのんびり楽をするわけにいかない、と思うようになりました。
従って、仕事や社会人としての知識や経験を活かして、特に経済的に困っている方々への相談サポートをしようと思いたって、妻と二人で開始したわけです。
すると、徐々に精神的に悩んでおられる方も多く見えられるようになりました。孤独である、うつ気味である等、またそれが経済問題とリンクされた悩みの場合と、純粋に精神だけの悩みを抱えられている方もいらっしゃいました。
従って、相談対象を「経済でお困りの方」から「生活困窮されている方や、悩みを持っている方」とするようにしました。
従って、過去の経験だけでは、不十分の為、精神関係の研修等による勉強も並行して行って「生活と心の相談サポート」をしてきたわけです。
相談の内容等は、活動状況に添付していますので、ご参照してください。
また、実際に精神障害をお持ちの方々の相談もうけるようになり、障害者の為の就労支援事業所等の実態等も聞くようになりました。
ご本人のみならず、ご家族の悩みも知り、そうであるなら自分なりに障害者の立場に立った事業所ができないかと考え、道から免許をいただき、二つ目の事業として、多機能型事業所「ホープ」として、この2月から運営開始したわけです。
私達をはじめとして、無報酬ボランティアの方がいることや、施設運営費があまりかからない等、低コストですむ分だけ、昼食無料提供、交通費助成など利用者へのサービスを厚くした運営を行っています。
これらの二つの事業から学んだことは、「生活と心の相談サポート」に来られる方もホープに来られる障害者の方も、コミュニケーションが、不得意だということです。
複雑で、人にやさしくない時代の中では、無理からぬことで、本人の問題というよりも社会の問題と思わざるを得ません。
悩みなく、流暢にコミュニケーションがとれる人こそ、あるいは異常なのかもしれません。
現代社会では、一部の悩みを感じない人を除き、実は普通の社会人あるいは子供も相当のストレスを抱えているのではないでしょうか。
そのことを相談活動を通じて実感した時、音楽による癒しやストレス解消の場が必要ではないかと考えたわけです。
そこで始めたのが、三つ目の事業、アフリカ太鼓によるドラムサークル「ハートビート」です。一般者向けと、障害者向けにわけています。
最も原始的なアフリカ太鼓をたたくことで、すぐに参加でき理屈抜きに楽しめます。親子連れ、おばあちゃんとお孫さん等、家族で楽しむこともできます。
「練習せずにその場で全員が演奏する/基本的に聴衆がいない」また、「間違い/失敗」がないことも、ドラムサークルの特徴とされる。そして、「気づかなかった自分に気づく、演奏を通じて相手の感情、その場のエネルギーを体で感じ、音を通したコミュニケーションから、人との関係性を学ぶことができる。」といわれています。
プロのパーカッション奏者のブラウンおよびそのご家族のリードのもと、すぐになじめると同時に、爽快な気分にさせてくれます。
障害者については、その他の楽器や歌も活用し、個人の状況に応じた対応を模索しながら行っています。
このような経緯で、必要性を感じるままに、3事業を展開してきたわけです。
今後も、設立趣旨に賛同できる協力者やボランティアの方々を募りながら、輪を広げて行きたいと思っています。