「Vol.46」

グドール先生の
『子育てシリーズ』


長所をさがす


どのようにして子供にやる気を起こすかは、多くの親が悩むところです。2001年に国立教育政策研究所が小学5年、中学2年、高校2年生の合わせて1400人に、「どういう場合に意欲が出るか」をアンケートしました。親や先生にほめられた時、「とてもやる気になる」あるいは「やる気になる」と答えた小中高生は多く、小学生では90%以上になりました。この意識調査の結果から子供をほめることの大切さがわかります。では、いかにしてほめるのか?柔道の山下泰裕さんが学んだことからヒントを得ることができます。


 山下泰裕さんの教える大学の柔道部に一人のデキの悪い学生がいました。高校時代に注目され、将来を期待されていたその学生は入学してから伸び悩み、練習態度にも積極性が見えず、山下氏は何も長所が見えない彼に退部を勧告しようかと思っていました。


 そんな時、見知らぬ夫妻が山下氏を訪ねて話すには、彼らの小学生の息子が長い入院の末亡くなったが、亡くなるまで毎日病室を訪ねて息子を励ましてくれた柔道部の学生がいたと言います。その学生こそ、山下氏が見離そうとしていたデキの悪い学生だったのです。


 山下氏は、学生たちを強くしたいと指導に熱心なあまり、その学生の短所ばかりに目が行き、優しさというかけがえのない長所を見ることができなかったそうです。それ以来、山下氏は指導の基本を「長所をさがす」ことに変え、さらに自分の目標として、いつの日か他人の「長所だけが見える」人間になりたいと話しています。


 自分の子供の短所や欠点はさがしやすいものです。しかし長所をさがし、それを認めて励ましてあげることは、意識的にしなければできるものではありません。どうぞ、子供の、また周りにいる人々の「長所さがし」を始めてください!


Gerald & Akemi Goodall
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